低画質動画を高画質に変える技術とは?—基本の仕組みを知ろう
共有する
動画の高画質化技術とは
低画質の動画を高画質に変える技術は、映像制作において欠かせないものです。この技術は、古い映像の修復や、スマートフォンで撮影した動画の画質を向上させるために使われます。まず、この技術の基本的な仕組みについて説明します。
スーパー解像技術(Super-Resolution)
動画を高画質化する代表的な技術として、「スーパー解像技術(Super-Resolution)」があります。これは、低解像度の動画から高解像度の動画を「推測」して生成する技術です。例えば、720pの動画を1080pに変えるといった場合、このスーパー解像技術が利用されます。
ディープラーニングの活用とESRGAN
スーパー解像技術には、ディープラーニングと呼ばれる人工知能の一種が活用されています。ディープラーニングは、大量のデータから映像の特徴を学習し、それをもとに高画質な映像を作り出す仕組みです。中でも「ESRGAN」という技術が知られており、これを使うと、より自然で鮮明な映像が生成されます。ESRGANは、元の映像と高解像度の映像の違いを学習し、見た目の良さを重視して変換を行う点が特徴です。
ビデオスーパー解像(VSR)技術
また、複数のフレームを利用して映像を滑らかに補完する「ビデオスーパー解像(VSR)」という技術もあります。これは、隣り合うフレームの動きを考慮して、映像の一貫性を保ちながら解像度を高める方法です。この技術により、動画全体が自然に見えるようになるため、特に映画やドラマのような映像に適しています。
前編では、動画の高画質化の基本的な仕組みについてご紹介しました。次回の後編では、実際にどのような場面でこの技術が使われているのか、そしてそのメリットと課題について掘り下げていきます。