アニメーションの動きの12の原則

アニメーションの動きの12の原則

アニメーションの動きの12の原則は、アニメーション制作における基本的な技術や考え方をまとめたもので、ウォルト・ディズニーのアニメーターであるオリー・ジョンストンとフランク・トーマスが著書『The Illusion of Life: Disney Animation』の中で提唱しました。これらの原則は、アニメーションをリアルで魅力的に見せるための重要な要素です。以下に12の原則を説明します。

1. スカッシュとストレッチ(Squash and Stretch)

オブジェクトが動いたり、力を受けたりした際の形の変化を表現します。弾力性や質量感を強調することで、動きに生命感を与えます。

2. タイミングとスパシング(Timing and Spacing)

動きの速さや間隔をコントロールし、アクションの表現を調整します。早い動きは緊張感やエネルギーを伝え、遅い動きは重さや優雅さを示します。

3. アンティシペーション(Anticipation)

主な動作の前に予備動作を入れることで、次のアクションを視覚的に予告し、視聴者に何が起こるかを予感させます。

4. ストレート・アヘッドとポーズ・トゥ・ポーズ(Straight Ahead and Pose to Pose)

ストレート・アヘッドはフレームごとに直線的にアニメーションを描く方法で、自然な流れを持つ動きになります。ポーズ・トゥ・ポーズは主要なポーズをまず決め、その間を埋める方法で、計画的で明確な動きが作れます。

5. フォロースルーとオーバーラッピング・アクション(Follow Through and Overlapping Action)

主な動きが終わった後も、その動きの影響を受けた部分が遅れて動き続けることで、動きに余韻や自然さを与えます。

6. スローインとスローアウト(Slow In and Slow Out)

動きの始まりや終わりで速度が変わることで、動作が滑らかに感じられます。これにより動きにアクセントがつき、自然さが増します。

7. アーク(Arcs)

自然な動きは通常、直線ではなく弧を描きます。これを取り入れることで、動きがリアルに感じられます。

8. 二次動作(Secondary Action)

主動作に付随する動作で、キャラクターの動きに複雑さと深みを加えます。例えば、歩きながら腕を振る、表情が変わるなどの動作です。

9. タイミング(Timing)

動きのタイミングが適切であれば、キャラクターやオブジェクトの重量感、性格、感情が表現されます。タイミングの調整はキャラクターのパフォーマンスを大きく左右します。

10. 誇張(Exaggeration)

リアルな動きを基にしつつも、アニメーションでは誇張を加えることで、キャラクターやアクションがより劇的で魅力的に見えます。

11. 連続した描写(Solid Drawing)

キャラクターやオブジェクトの立体感やバランスを意識して描くことで、動きがより信憑性を持つようになります。

12. アピール(Appeal)

キャラクターやアクションが視聴者にとって魅力的で、関心を引くものであることが重要です。キャラクターのデザインや動き、表現が人々に好まれるようにすることが求められます。

これらの原則を理解し、適切に適用することで、アニメーションはより生命力に満ちた、視覚的に魅力的なものになります。

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