雨天時の撮影機材:適切な取り扱いと保護の方法
共有する
雨の日の撮影機材:入江泰吉のようなしっとりとした写真を目指して
「ミスター・ウエット・イリエ」という愛称で知られる写真家、入江泰吉がいます。彼は雨や雪の日を好んで撮影し、その風景写真には雨、雪、霧、雲などが巧みに取り込まれています。そのため、彼の作品はしっとりとした情感にあふれています。多くの人は悪天候の日にカメラを持ち出すのをためらいますが、実は雨や雪の日にしか撮れない美しい景色があるのです。今回は、そんな特別な瞬間を捉えるための、雨の日における撮影機材の適切な取り扱い方法をご紹介します。
撮影前の機材準備
雨の日の撮影で最も重要なのは、カメラとレンズを水から守ることです。専用の防水カバーやレインスリーブを使用するのが理想的ですが、予算や入手の難しさを考慮すると、大きめのジップロック袋でも代用できます。カメラ本体とレンズを覆い、レンズ前面に穴を開けて撮影する簡易的な方法です。また、レンズの前面には必ずUVフィルターやプロテクトフィルターを装着しましょう。これにより、レンズ本体への水滴付着を防ぎ、万が一の衝撃からもレンズを守ることができます。三脚を使用する場合は、脚を伸ばす際に内部に水が入らないよう注意が必要です。三脚の脚を覆うカバーを使用するのも一つの方法です。
撮影中の機材管理
撮影中は、こまめに機材の水滴を拭き取ることが大切です。マイクロファイバー製の柔らかい布を複数枚用意し、レンズやカメラボディに付いた水滴を優しく拭き取ります。特にレンズの前面は頻繁に確認し、水滴が写り込まないよう注意してください。また、カメラを首から下げる際は、雨が直接カメラにかからないよう、上着の中に入れるなどの工夫が必要です。バッテリーや記録メディアの予備は、小さな防水ケースに入れて持ち運びましょう。湿気による故障を防ぐだけでなく、万が一の水没からも守ることができます。長時間の撮影では、カメラ内部に湿気がこもる可能性があるため、時々カメラの電源を切り、バッテリーカバーを開けて内部の換気を行うことも有効です。
撮影後の機材ケア
雨の中での撮影を終えたら、すぐに機材のケアを行うことが重要です。まず、カメラとレンズの表面を乾いた布でよく拭き取ります。特に、レンズの取り付け部分や各種端子、バッテリー室などの隙間に水が残っていないか注意深く確認してください。湿気を吸収するシリカゲルと一緒にカメラバッグに入れておくと、結露の防止に効果的です。レンズを取り外して、マウント部分も丁寧に乾燥させましょう。三脚も完全に伸ばし、水分を拭き取った後、室内で十分に乾燥させます。カメラやレンズの内部に水が入った疑いがある場合は、無理に電源を入れず、専門店での点検を依頼することをお勧めします。定期的なメンテナンスも大切で、特に雨の日の撮影後は、普段以上に念入りに機材をチェックし、必要に応じてクリーニングや点検を行いましょう。これらの注意点を守ることで、入江泰吉のような雨の日の美しい風景写真に挑戦しつつ、大切な機材を長く使い続けることができます。