今回のテーマは「フリーランスという働き方が、なぜ増え、そしてなぜ辞める人もいるのか」です。2020年以降に広がった働き方の変化を振り返りながら、独立を長く続けるために何が必要なのかを、最初から個人事業主として歩んできたマサさんに伺いました。「簡単に始められる時代」だからこそ見落とされがちな“準備”と“アウトプット”について、具体的な話が並びます。
2020年以降のフリーランス増加と、自身の立ち位置
HAL: 今回は「フリーランスがなぜ増え、なぜ辞める人もいるのか」がテーマです。2020年以降はリモートワークの広がりもあってフリーランスが増えた印象がありますが、マサさんご自身も、この流れの中で独立された一人なのでしょうか。
マサ: いえ、僕は初めから就職せずに、フリーランス、つまり個人事業主として働いてきたので、特に2020年以降にフリーになった、ということはないんです。なので2020年以降のフリーランスの増加は、自分が乗った波というよりは、周りの環境の変化として見てきた、という感覚に近いですね。
2020年に何が起きたのか——YouTube・動画編集・副業
HAL: その2020年前後は、働き方にとってどんな転機だったと見ていますか。
マサ: 2020年はコロナ禍になって、一般の人たちにもYouTubeが一気に普及したタイミングだと思うんですね。そこで「動画編集が今後人気になる」「リモートワークでも、副業でできる」ということで、“副業”という言葉も広まりましたし、YouTubeの動画編集というものも、一緒に広まっていったタイミングだったと思います。
なぜ続けられない人がいるのか
HAL: 動画編集が副業として手の届くものになり、選択肢も増えました。ただ今は一巡した感もあります。続けられる人とそうでない人の差は、どこにあったと感じますか。
マサ: そもそもフリーランスというのは独立をするということなので、昔の言葉でいえば、サラリーマンをやっていた人がラーメン屋さんを開業した、いわゆる脱サラと、本質的には同じ意味なんです。ただ一方で、簡単に始められたことや、「インターネットで誰でも簡単に副業が始められる」という話を真に受けた人が、結構いた印象で。そういう人たちは、続けられなかったんじゃないかなと思います。
独立に必要な「準備」——下積み、商材と顧客
HAL: 「簡単に始められる」分、続けるのは難しいわけですね。長く続けるために、独立前にしておくべき準備とは何でしょうか。
マサ: 独立というのは、本来は準備をしておかないといけないものなんです。職人の世界でいえば、師弟関係の中で「一人前になった」というところで師匠から離れ、独立する。だからこそずっと続けてこられた、という流れがありますよね。つまり、スキルも経験も修行の中で積んで、一人前になったから始められる。それなのに、スキルも経験もないまま始めてしまう人が多い、というのは、近くで見ていてすごく感じた部分でした。
HAL: その準備の中身を、もう少し具体的に伺えますか。
マサ: 商売というのは基本的に、商材があって、それを買ってくれる顧客がいる、この2つしかないんです。だから、独立前からこの2つができていれば、本当に100%いいんですよね。それがない場合は、やはりある程度のスキルが要る。新規でお客さんを得ようとするとき、相手は「あなたはこういう経験をしてきたんだ」という実績やスキルを見て、「じゃあお願いしよう」と思ってくれる。その形にしてからお願いするので、やはり準備が大事だと思います。
無料情報の落とし穴
HAL: 今の時代だからこそ、準備に加えて意識しておくべきことはありますか。
マサ: さきほども触れましたが、インターネットやインスタグラムなどのSNSで、ただで得られる情報を真に受けてしまう、という問題があります。そういう簡単に手に入る情報は、話している人自身が儲かるために無料で出してくれているわけなので、そこを分かったうえで聞かないといけない。そして、やはり“うまい話”はない、ということですね。
「安い仕事のループ」から抜け出すには
HAL: 無料の情報には発信者の意図もありますし、甘い話ほど注意が要るわけですね。では、実際に独立を考える人が見極めておくべきポイントを一つ挙げるとしたら、何でしょうか。
マサ: うちでも人を募集してきて、応募も結構あったんですが、だいたいスキルが全然ない人たちが「経験のために仕事をしたい」という形で来るんですね。ただ、実績や経験がない人は、どうしても安く受けるしかない。「経験のためだから」と言って安い仕事を受け続けると、その仕事の仕方はループしてしまうので、安い状態から抜け出せないまま年を取ってしまう。本人は気づかずに、ずっと続けてしまうんです。
マサ: 一方で、高い仕事へ、上に行く人たちが何をしているかというと、自分で作品を作って、自分でリリースしていくんですよ。それを持って高いところへ営業に行くので、経験と実績を積んで、もっと上に行ける。そういうループになっているので、まず「自分で作って世に出せるか」が一番重要だと思います。
腕を磨き、営業にもなる「100本ノック」
HAL: 自分の作品を世に出すことが、上のステージへ進む鍵になりそうですね。具体的には、どのくらいの量を積み重ねるイメージでしょうか。
マサ: やっぱり「100本」ですよね。たとえば大学生がAIを使ってウェブサイトやアプリを作ったり、昔なら自分でコーディングを学んでウェブサイトを100個作ったり。そうやって作っていくと、当然アウトプットとして世にリリースしていくので、それがたまってたまって話題になり、その人に依頼が来る、という形になります。だから「100本ノック」をやることが、結果的に腕も磨くし、結果として営業にもなる。目の前の安い仕事をどんどん受けるほうへ行ってしまうと、やはり抜け出せなくなると思います。
HAL: もし今、マサさんご自身が100本ノックをするとしたら、どんな作品を積み重ねますか。
マサ: AI動画ですね。AI動画のやり方をいろいろ試して、作って、100本ノックをする。それから今だと、クロード(Claude)を使ってアプリやウェブサイトも作れるので、そちらも100サイト作るくらいの勢いで、どんどんやっていくと思います。
HAL: ありがとうございます。今日は、フリーランスが増えた背景から、続けるための準備、そして「自分で作って世に出す100本ノック」までを伺いました。「経験のため」の安い仕事のループから抜け出す鍵は、誰かの無料情報ではなく、自分の手を動かして積み重ねたアウトプットにある——そんな回でした。今日触れた具体的な作り方や続きは、ぜひYouTube動画でもご覧ください。それでは、また次回お会いしましょう。
