HAPIVERI Magazine
Vol.006 動画は誰でも作れる時代へ。それでも「プロの仕事」が残る理由
今回のNEXT ACADEMYは、進化の速い「生成AI動画ツール」がテーマです。マサさんが実際にツールをリサーチしながら、どの企業のどんなツールが実務に使えるのか、そして「誰でも動画が作れる時代」にクリエイターは何を大切にすべきかを掘り下げていきます。ツール選びの現実的な判断基準から、映像表現のこれからまで。それでは伺っていきましょう。 Seedanceはどこの国のツールか HAL: 生成AI動画ツールのひとつに「Seedance(シーダンス)」があります。運営元をめぐっては情報が錯綜しがちですが、マサさんはどこの企業のツールだと整理されていますか。 マサ: Seedanceは、中国のバイトダンス(ByteDance)が展開している生成動画ツールです。名前だけ見ると出どころが分かりにくいのですが、運営元は中国企業ですね。中国は生成AIの分野でかなり先を走っていて、Seedanceもそのひとつだと思います。ただ、日本企業のツールではないので、僕の仕事の場面では少し使いづらさを感じています。国産かどうかが、実務では判断材料になる場面があるんですよね。 「実力のあるツール」と「使いやすいツール」は一致しない HAL: 一方で「日本企業ではないので使いづらい」ともおっしゃっていました。実力のあるツールと、仕事で使いやすいツールが、必ずしも一致しないという状況でしょうか。 マサ: そうなんです。生成動画に関しては、全体的なクオリティも含めて、中国・中華系のツールがやっぱり優れている印象があります。進化のスピードも速いですね。一方で、実際のクライアントワークとなると、どこの国の企業のツールなのかが引っかかる場面もある。良いツールと、仕事で使いやすいツールがズレてしまう、というのは正直あると思います。 「誰でも作れる時代」をどう捉えるか HAL: 動画制作そのものが、専門的な機材やスキルがなくても手が届くものになってきています。マサさんは、この「誰でも作れる」流れをどう捉えていますか。 マサ: 作ること自体は、確かにどんどん簡単になってきていますよね。ただ、その先のクオリティの部分は、まだまだプロの仕事だと思っています。とはいえ、誰でも作れるようになっていくのは間違いない。だからこそ、映像を「映像単体」「映画単体」として捉えるのではなくて、作品づくりや表現の中のひとつの枠組み、選択肢として考えていったほうがいいだろうな、と。これまでのように映像だけ、映画だけ、という形は、これから厳しくなっていくかもしれません。 これから取り組みたいこと HAL: その表現力を磨いていくうえで、これから取り組みたいことはありますか。 マサ: シンプルに、ただただ作り続けることだと思っています。 「作ること」のハードルが下がるほど、その先にある表現力や専門性の価値が際立つ ― 今回はそんな示唆に富む対話でした。AIというツールを使いこなす技術と、売れる専門性やクラフトをどう掛け合わせるか。NEXT ACADEMYが大切にしているテーマが、映像という切り口からも見えてきます。次回もお楽しみに。
Vol.006 動画は誰でも作れる時代へ。それでも「プロの仕事」が残る理由
今回のNEXT ACADEMYは、進化の速い「生成AI動画ツール」がテーマです。マサさんが実際にツールをリサーチしながら、どの企業のどんなツールが実務に使えるのか、そして「誰でも動画が作れる時代」にクリエイターは何を大切にすべきかを掘り下げていきます。ツール選びの現実的な判断基準から、映像表現のこれからまで。それでは伺っていきましょう。 Seedanceはどこの国のツールか HAL: 生成AI動画ツールのひとつに「Seedance(シーダンス)」があります。運営元をめぐっては情報が錯綜しがちですが、マサさんはどこの企業のツールだと整理されていますか。 マサ: Seedanceは、中国のバイトダンス(ByteDance)が展開している生成動画ツールです。名前だけ見ると出どころが分かりにくいのですが、運営元は中国企業ですね。中国は生成AIの分野でかなり先を走っていて、Seedanceもそのひとつだと思います。ただ、日本企業のツールではないので、僕の仕事の場面では少し使いづらさを感じています。国産かどうかが、実務では判断材料になる場面があるんですよね。 「実力のあるツール」と「使いやすいツール」は一致しない HAL: 一方で「日本企業ではないので使いづらい」ともおっしゃっていました。実力のあるツールと、仕事で使いやすいツールが、必ずしも一致しないという状況でしょうか。 マサ: そうなんです。生成動画に関しては、全体的なクオリティも含めて、中国・中華系のツールがやっぱり優れている印象があります。進化のスピードも速いですね。一方で、実際のクライアントワークとなると、どこの国の企業のツールなのかが引っかかる場面もある。良いツールと、仕事で使いやすいツールがズレてしまう、というのは正直あると思います。 「誰でも作れる時代」をどう捉えるか HAL: 動画制作そのものが、専門的な機材やスキルがなくても手が届くものになってきています。マサさんは、この「誰でも作れる」流れをどう捉えていますか。 マサ: 作ること自体は、確かにどんどん簡単になってきていますよね。ただ、その先のクオリティの部分は、まだまだプロの仕事だと思っています。とはいえ、誰でも作れるようになっていくのは間違いない。だからこそ、映像を「映像単体」「映画単体」として捉えるのではなくて、作品づくりや表現の中のひとつの枠組み、選択肢として考えていったほうがいいだろうな、と。これまでのように映像だけ、映画だけ、という形は、これから厳しくなっていくかもしれません。 これから取り組みたいこと HAL: その表現力を磨いていくうえで、これから取り組みたいことはありますか。 マサ: シンプルに、ただただ作り続けることだと思っています。 「作ること」のハードルが下がるほど、その先にある表現力や専門性の価値が際立つ ― 今回はそんな示唆に富む対話でした。AIというツールを使いこなす技術と、売れる専門性やクラフトをどう掛け合わせるか。NEXT ACADEMYが大切にしているテーマが、映像という切り口からも見えてきます。次回もお楽しみに。
映像制作会社のためのMake自動化入門:フォルダ生成からFrame.io連携、AI量産まで
映像制作の現場に残る手作業を、ノーコード自動化ツールMakeでどう減らせるのか。プロジェクトのフォルダ生成からFrame.ioでのレビュー、生成AIによる派生コンテンツの量産、配信、請求処理まで、全工程をつなぐパイプラインの作り方を順に解説します。
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写真編集まで呑み込んだDaVinci Resolve 21——Blackmagicが描くメディ...
Blackmagic Designの「DaVinci Resolve 21」が、動画・カラー・VFX・音声に続く第5の柱として写真編集を統合しました。AIツールの強化や放送のIP化まで、同社が描くメディアの未来像をやさしく読み解きます。
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映像美の革新者リドリー・スコット:CM界からハリウッドへの華麗なる転身
リドリー・スコットの映像作家としての出発点は、ロンドン王立美術大学でのデザイン教育にある。美術的素養を身につけた後、BBCでセットデザイナーとして映像業界にキャリアをスタートさせ、テレビ業界の限界を感じて弟のトニー・スコットと共にCM制作会社を設立した。数千本に及ぶコマーシャルフィルムを手がける中で培った映像感覚は、後の映画監督業において他の追随を許さない独自性の源泉となった。特にアップル社の「1984」広告での成功は、短時間で物語性と映像美を両立させる手法の頂点を示すもので、スコットの映像作家としての才能を決定づけた作品といえる。
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フランシス・フォード・コッポラ:ニューハリウッドを牽引した革命的映画監督
フランシス・フォード・コッポラ(1939年生)は、アメリカ映画史を代表する巨匠の一人である。1970年代のニューハリウッド世代を牽引し、ギャング映画ジャンルを革新したパイオニアとして評価されている。大学で演劇と映画製作を学んだ後、低予算映画の名プロデューサーであるロジャー・コーマンに師事し、映画業界に足を踏み入れた。コーマンのもとで編集や演出の腕を磨き、ソ連製SF映画の吹替編集などを任されるうちに才能を認められた。
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